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あいさつ
 
 
 

 
 
 急速に進むグローバル化、産業構造の空洞化、そして新しいビジネスモデルの創出など、今、社会は激動の時代を迎えています。そのため、これからの新たな時代を切り拓くことができる人財が求められています。

 本校は、設置認可110年目を迎えた、埼玉県を代表する工業高校です。校訓である「誠実・勤勉・創意」のもと、これまでの歴史と伝統の中で培ってきた工業高校ならではの教育活動をとおして、新しい時代が求める技術者を育成してまいりました。

 工業とは、ただ「ものをつくる」のではなく、「人が、人として幸せに生きていくために必要なものをつくること」だと捉えています。

 そのためには、相手の気持ちや立場に立って考えること。行動すること。つくり上げることが大切です。その基本は「優しさ」です。本校の生徒には、工業高校の生徒だからこそ、ものづくりや様々な人との触れ合いの中で、心を磨き、技を鍛え、人としての「優しさ」を身につけてもらいたいと考えています。

 私たち教職員は、生徒一人一人が持つ、資質・能力・人間性を、限りなく伸ばせるよう、限りなき情熱を傾け、日々の教育活動に邁進してまいります。工業教育の王道を歩みながらも、常に進化し続ける川越工業高校への御支援・御協力をよろしくお願いいたします。

埼玉県立川越工業高等学校長  清水 雅己  

 
校長講話
校長講話
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2018/09/03

平成30年度 第2学期始業式 式辞(要旨)

| by:校長
おはようございます。
夏休み中、事件・事故の報告は入っていませんので、皆さん元気で楽しい夏休みを過ごせたのだろうと思います。
1学期の終業式でお願いした「死ぬな ケガするな 悲しませるな」を守り、みんな揃って、今日の始業式を迎えられたことに、まずもって感謝したいと思います。ありがとうございます。

今年の夏休みを振り返ると、関東甲信地区は、季節が1か月くらい前倒しされたように、酷暑に始まり、不安定でとても厳しい気候でした。

その酷暑の中で行われたインターハイでは、1学期の終業式前日に皆さんが壮行した自転車競技部の活躍は目覚ましく、今年から正式競技となった 女子種目 で、3Bの中川選手が女子ポイントレースで日本一に輝き、さらに、2Bの飯田選手が女子ケイリンで日本一に輝いたほか、男子チームスプリントで、2Eの小鷹(こたか)選手、3Eの山田選手、3Dの太田選手が全国3位になったことをはじめ、いくつもの種目で、上位入賞を果たしました。

また、高校生づくりコンテスト化学分析部門の関東大会に出場した3Cの寺島さんが準優勝に輝くなど、全国大会や関東大会で、その力を存分に発揮し、川越工業高校の名を全国に知らしめてくれました。

そして、「高校生ロボットコンテスト」に出場した電気科の課題研究ロボット班が、わずか4枚しかない全国大会への切符のうち2枚を手にしたほか、関東高校弓道個人選手権選抜大会県予選に出場した弓道部の2Aの小池選手が、関東大会への切符を手にしました。

時間の都合上、すべてを紹介することはできませんが、今年も部活動や各科でとり組んでいるコンテスト、課題研究などで、皆さんの活躍が光りました。

本当に凄い生徒たちだな、凄い学校だなと素直に思います。
活躍した生徒の皆さんへ、そして、頑張った自分自身に拍手を送ってください。


夏休みが終わり、いよいよ今日から2学期です。
夏休み中にも準備を進めていただきましたが、3年生にとっては、いよいよ進路実現に向けて、最も重要な学期となります。
大学や専門学校のAO入試は、既に始まっています。
そして、就職希望の皆さんは、いよいよ2週間後には採用試験が始まります。
就職・進学ともに、3年生全員が第1希望の進路実現が叶うよう、怠ることなく、準備を進めてもらいたいと思います。


さて、1学期の終業式で、職業に就くことに関する2つの話をしました。
1つは、「人は見かけで判断される」ということ。
もう1つは、「子どもは雇ってもらえない」ということです。
夏休みが、あまりにも暑かったので、記憶が蒸発してしまった人もいるかも知れませんが、今日は、その続きとして、職業に就くことに関する2つの話をしたいと思います。

まず、1つめの話は、「いやでも他人と比較される」ということです。
ある水準に達しているか、どれだけの資質・能力があるかなどを見定め、改善に役立てようとする「評価」ではなく、他人との「比較」です。

他人と比較されることは、あまり気持ちのいいものではありません。
しかし、社会人になると、他人(ひと)と比較されることを避けて通ることができません。

例えば採用試験もそうです。採用試験は、その企業の採用計画に基づき、受験者を比較し、必要最小限の人数を採用します。そのため、資質・能力が高くても、それ以上の受験者がいれば、不採用となることもあります。

人には、知識や経験、技術、能力、体力などをはじめ、資質・能力に違いや差があります。

そして、それらは当然のように比較され、その結果は、採用試験の合否や職場での地位、役割、給与などの待遇として表れます。
社会に出るとそれの連続であり、みんな一緒、平等というわけにはいきません。

そのことを覚悟して、社会や会社の中で生きていかなければなりません。

他人と比較されて嫌な思いをしないようにするためには、何を比較されても大丈夫と言える自分になること。自分を理解し、自らの資質・能力を高めていくこと以外に方法はありません。
ぜひ、本校にいる間に、その下地や基盤をつくれるよう努めてもらいたいと思います。


もう1つの話は、「直向きに、前向きに」ということです。
職業に就き、働き始めると、「やりたい仕事をやらせてもらえない。」「この仕事は自分には向いていない。」と思うことは何度かあります。いや、何度もあると思います。

それは、仕事を任せる側の立場で考えればわかるかもしれません。

学校を卒業したての知識や経験が少ない人に、その会社の核となる仕事や醍醐味を味わえるような仕事を任せることはなかなかできるものではありません。

仕事への適性は、好きでも嫌でも、粘り強く続けていくうちに、少しずつ芽生えていき、身に付いていくものであり、やがて、その部門で欠くことのできない人財に成長していきます。
そして、仲間や上司から評価され、信頼され、次のステップに進んでいくことができます。

人間ですから、多少の好き・嫌いはあるかもしれませんが、はじめから「この仕事は自分に向いている」とか「向いていない」などと考えずに、「前向き」な姿勢で、仕事に臨んでもらいたいと思います。

このことは、仕事に就いてからではなく、今現在の学校での学びにも言えることです。

学校での学びは、その分野の一端をかじっただけすぎません。
 
向いているとか向いていないとか安易に判断するのではなく、直向きに、前向きに取り組んでいくことが何より大切なことです。
ぜひ、本校にいる間に、直向きに、前向きに取り組むことができる自分になれるよう努力してもらいたいと思います。


結びに、2学期は、体育祭や工業祭、勉強にスポーツにと皆さんが、さらなる成長を遂げる大切な学期です。
気を緩めることなく、校歌にある「ゆめ怠るな我が友よ」の如く、自らをさらに高められるよう努めてもらいたいと思います。

それでは、この2学期が皆さんにとって、充実した学期となることを期待して、私の話を終ります。
2学期も頑張っていきましょう!

18:00
2018/07/20

平成30年度第1学期終業式 式辞(要旨)

| by:校長
先日、体育館の出入口から部室の前を通り、実習棟に向かおうとしたとき、部室の前で座りながら何かの準備をしていたサッカー部の生徒たちが、一斉にさっと立ち上がって丁寧に笑顔で元気よく挨拶をしてくれました。
「当たり前じゃないか」という人もいるかも知れませんが、当たり前のことを当たり前のこととして、しっかりできる。素晴らしいことです。
また、昨日の放課後、体育館に用があり、体育館に入った瞬間、バスケットボール部の生徒たちが、気持ちが良いほど元気よく挨拶をしてくれました。サッカー部やバスケットボール部だけでなく、本校の生徒たちは、そのような行動が自然にできる生徒たちである。そう思うと、とても嬉しく思います。
これは、きっと、お客様が来訪されたときも、同じであろうと思います。
誰でもそうだと思いますが、挨拶をしてもらえると、気分が良くなったり、心地よい雰囲気に包まれたりします。
これは、挨拶には、ようこそお越しくださいました。私はあなたの敵ではありませんよ。私はあなたの仲間ですよ。という思いや意味が込められているからだと思います。
このような生徒が学ぶ学校だからだからこそと思いますが、お客様に必ず言われることがあります。
それは、「川越工業高校の生徒さんの活躍をよく耳にしますので、訪問するのがとても楽しみでした。実際に学校訪問させていただいて思うのは、生徒さんは、本当によく挨拶をしてくれますね。」「校内がきれいですね。特に廊下がピカピカですね。」ということです。
御来訪いただいたお客様が、生徒の皆さんの挨拶により、気分が良くなり、また、校内視察を通して、「川越工業高校の生徒は、挨拶ができ、清掃もしっかりできる生徒たちなんだな。」と好感を持ってお帰りになられていると思います。
挨拶や清掃がしっかりできる。当たり前のことを当たり前にできる。これはとても大切なことであり、本校の誇りです。
これからもよろしくお願いします。
 
さて、今日は就職に関する2つの話と1つのお願いしたいと思います。
多くの3年生は、既に就職希望先を1社に絞り込み、夏休み中に企業訪問を行い、その後、9月16日から始まる採用試験に臨むことになります。
大学や専門学校に進む人、1・2年生も、将来的には必ず社会の中で働くことになりますので、耳を傾けていただきたいと思います。

皆さんも真剣だと思いますが、企業の方も真剣です。
その大きな理由は、「企業は人なり」とか「人こそが企業の財産である」とか言われますが、企業の継続的な成長のためには、優秀な人材の採用と育成が必要不可欠だからです。
しかし、人を雇うには多額のお金が必要になります。
具体的には、採用時には一人当たり数百万円。そして、高校卒業したばかりの人でも、給与や手当、保険、福利厚生など、人に掛かる費用は、年間5百万円から1千万円もの経費が必要になると言われています。
当然、年齢が高くなれば高くなるほど高額になっていきます。
また、今は比較的好景気ですが、いつ不況になるかわかりません。
企業は経営が厳しいからと言って社員を簡単に解雇することはできません。
だからこそ、企業は慎重に人を選び、優秀な人材を必要最小限採用します。
その重要な採用に関わる判断を学校訪問と企業訪問、そして、たった一日二日の採用試験で判断しなければなりません。

その上で、まず、一つめの話は、「人は見かけで判断される」ということです。
世間一般的には、「人は見かけで判断してはいけない」と言いますが、これは見かけで差別してはならないということで、採用試験の特に面接試験においては、当然のことながら人は見かけで判断されます。
面接試験は特別な日です。
その特別な日に、身だしなみや言葉遣いができていないなど、第一印象が悪ければ、当然採用されることはないでしょう。
服装や頭髪をはじめとする身だしなみ、言葉遣いは、日頃の生活の中で培われるものです。
校則だからとか、親や先生がうるさいからではなく、自分自身のために、日頃から、身だしなみや言葉遣いに注意を払い、皆さん自身の魅力を高めていってもらいたいと思います。

もう一つの話は、「子どもは雇ってもらえない」ということです。
会社は営利を目的とする組織です。
会社に利益をもたらすことなく、損害を与えそうな人は雇ってもらえるわけはありません。
皆さんが就職し、企業の看板を背負ってお客様と会う際に、万が一でも約束の時間に遅れたり、すっぽかしたりするようなことがあれば会社の信頼が失われることになります。
無断で会社を休んだり、遅刻したり、報告書を提出しなかったり、自分勝手な行動をする子どものような人は敬遠されてしまいます。
そうならないために、日頃から規則正しい生活を送るとともに、大人としての正しい判断を下せるよう、自分自身を高めていってください。
誰のためではなく、自分自身のために。

最後にお願いです。
いつも学期の終わりに言っていることですが、夏休みを迎えるに当たり、
私からのお願いは、
「死ぬな!ケガするな!悲しませるな!」ということです。
もう一度言います。「死ぬな!ケガするな!悲しませるな!」

それでは、9月3日に、全員そろって、笑顔で会えることを楽しみにしています。
平成30年度1学期間、たいへんお疲れ様でした。
そして、ありがとうございました。
有意義で楽しい夏休みとなることを祈っています。

17:00
2018/04/09

平成30年度入学式 式辞(要旨)

| by:校長
式     辞

やわらかな、春の日差しの中、若葉がまぶしく、若い命が躍動する希望あふれる季節がめぐってまいりました。

この春のよき日に、
学校評議員 東洋大学 教授 吉田泰彦 様
PTA会長 稲葉哲洋 様
後援会長  郡司光夫 様
をはじめとする御来賓の皆様と、多数の保護者の皆様のご臨席を賜り、平成30年度 埼玉県立川越工業高等学校入学式をかくも盛大に挙行できますことは、本校関係者一同の大きな喜びとするところであります。
御臨席賜りました皆様に心から御礼を申し上げます。

ただ今、入学を許可いたしました284名の新入生の皆さん、入学おめでとうございます。
教職員、在校生を代表して、皆さんの入学を、心から歓迎いたします。
そして、今日まで様々な面で、御苦労を重ねて来られました、保護者の皆様に、お子様の御入学を、心からお祝い申し上げます。

さて、本校は、明治四十年に、埼玉県立川越染織学校として、この地への設置が認可され、この百十年の間に、校訓である「誠実・勤勉・創意」のもと、生徒たちの力を引き出し、鍛え、常に日本の工業界をリードする人財を育ててまいりました。

新入生の皆さんには、本校で、確かな学力に加え、社会人としての豊かな教養、そして技術者としての、高い技術力を身につけてもらいたいと思います。

本校での学校生活は、皆さんの生涯の中でも、極めて大切な時間になるものと思います。
そこで、入学にあたり、心に留めておいていただきたい、二つのことをお話しいたします。


一つは、「夢信進工道」という言葉です。

夢・信じる・進む・工・道、「夢を信じて工の道を進む」、と書いて、「むしんしんこうどう」と読みます。
この言葉は、皆さんの大先輩であるJR東日本のスイカの開発者 椎橋章夫先輩から贈呈され、これから皆さんが毎日使用する生徒昇降口の正面に掲げられている書にある言葉です。また、将来における皆さんの座右の銘としていただきたい言葉です。

この「夢信進工道」を現実のもとするためには、まず「夢」を持つことが大切です。
その夢は、先の長い生涯をかけての夢でも、少し努力すれば手が届きそうな、目標でも構いません。


人は、常に夢や目標を持ち、それに向かって努力することで、一回りも、二回りも、成長することができます。
幸いにも、本校には、充実した施設設備があり、そして何よりも、素晴らしい指導者である先生方がいます。
毎日の授業はもちろん、いろいろな資格取得やコンテスト、そして、部活動など、他に類を見ないたくさんのチャンスがあります。

しかし、チャンスは、待っていたのでは見逃してしまいます。
チャンスは、教えられるものでも、与えられるものでもありません。
チャンスはいたるところにあり、チャンスをチャンスとして捉えられる目や嗅覚、すなわち、何事も前向きに捉えるプラス思考の考え方や行動力が大切になります。

できるかどうかを考えるのではなく、「やってみたい!」「やってみよう!」と思える自分であってもらいたいと思います。
夢や目標は、そのための起爆剤となります。

そして、「信じる」ことが大切です。
「信じる」と言っても、「念じる」や「祈る」というという受け身の姿勢ではなく、「失敗を恐れることなく、何事も成し遂げるまで諦めず、果敢にチャレンジする」ということです。

皆さんがこれから生きていく時代は、グローバル化の発展による国際競争の激化や人工知能、IoTの目覚ましい発達など、社会状況が大きく変化する予測することが難しい時代です。

そのような時代を生き抜くには、自分の知識や技術を磨き、鍛え、自分に力を付けていかなければなりません。
そのためには、夢を持ち、目標を定め、失敗を恐れることなく、何事も成し遂げるまで諦めず、果敢にチャレンジする姿勢が極めて重要になります。
皆さんも聞いたことがあると思いますが、「能ある鷹は爪を隠す」という諺があります。
有能な鷹は獲物に気づかれないように、悟られないように、普段は爪を隠し、いざ獲物を捕らえる時だけ鋭い爪を出すことから、転じて、「才能や実力のある者は、軽々しくそれを見せつけるようなことはしない」という意味を持っています。

日本人の美意識からすると、自分の才能をひけらかすことは恥ずかしいこととされ、「能ある鷹は爪を隠す」は、美徳ともされている姿です。

確かに、慢心して得意がって見せつけたり、見せびらかしたり、自慢したりすることは卑しく見えたりもします。
また、慢心は、人を不快にするばかりでなく、自分の成長をも止めてしまうこともあります。
しかし、慢心からではなく、自分の知識や技術を磨き、鍛え、自分に力を付けるためには、爪を出すことはとても大切なことです。

能ある鷹も爪を出すことをしない日々が長くなれば、感覚が鈍り、いざという時に、その爪を出すこと、実力を発揮することができなくなります。
また、能ある鷹にまでは至っていない修行中の鷹であればなおさらです。
そして、競争相手が多くなればなるほど、生き抜いていくことが難しくなり、獲物を捕ることができなければ飢え死にしてしまいます。

言うまでもなく、ここで言う、能ある鷹とは、実社会の第一線で活躍している人のような能力のある人、力のある人のこと。
修行中の鷹とは、皆さんのこと。
獲物とは、様々なチャンスのこと、仕事のこと。
とでも言えばわかりやすいでしょうか。

先ほども話したとおり、グローバル化の発展による国際競争の激化や人工知能、IoTの目覚ましい発達などにより、社会状況が大きく変化するこれからの時代にあっては、「能ある鷹は爪を出せ!能ある鷹になるため爪を研げ!」という姿勢が大切になります。

自分の知識や技術を磨き、鍛え、自分に力をつけるためにも、失敗を恐れず、何事も成し遂げるまで諦めず、果敢にチャレンジする姿勢が大切になります。
とは言っても、皆さんの心の中には、失敗を恐れ、チャレンジすることに躊躇する心が潜んでいるかも知れません。
その躊躇する心を追い払うために、次の言葉を紹介します。

世の中に、失敗というものはない。チャレンジしているうちは失敗はない、諦めた時が失敗だ。

有名な言葉なので知っている人も多いと思いますが、この言葉は、京セラや現在のauなどを立ち上げ、日本航空を再生したことで知られる 稲盛和夫さん の言葉です。

また、現在のパナソニックを一代で築き上げた 松下幸之助さん も、
失敗の多くは、成功するまでに諦めてしまうところに、原因があるように思われる。最後の最後まで諦めてはいけないのである。

失敗すればやり直せばいい。やり直してダメならもう一度工夫し、もう一度やり直せばいい。

失敗したとこでやめてしまうから失敗になる。成功するところまで続ければ、それは成功になる。

と、稲森さんと同様の言葉を残しています。
さらに、松下幸之助さん は、

失敗の原因を素直に認識し“これは非常にいい体験だった。教訓になった。”というところまで心を開く人は、後日進歩し、成長する人だと思います。

と、失敗に対して次につなげる前向きな姿勢が大切であることを教えてくれています。

皆さんは、修行中の鷹です。
高校生だからこそ、失敗を恐れることなく、
何事も成し遂げるまで諦めず、果敢にチャレンジしてください。
これらのことからもわかる通り、「夢信進工道」が持つ意味は、「夢を持ち、自分自身が決めた道一筋を、諦めることなく歩んで行く。チャレンジし続ける。」という覚悟の言葉です。

そして、この「夢信進工道」は、
 空も一つの武蔵野に
  分けゆく道は数あれど
   工の道の一筋を
    命とたどる若人われら
     ゆめな迷いそ我が友よ

 よしや行く手は遠くとも
  いかで挫けんたゆみなく
   進まんのみぞクローバーの
    精神(こころ)わすれぬ若人われら
     ゆめ怠るな我が友よ

という本校の校歌が持つ意味そのものであり、本校校歌の題とも言える言葉です。
ぜひ、皆さんには、「夢信進工道」の「工」と言う字に、自分自身の夢や目標を重ね合わせ、登下校の際には、必ずこの書を見上げ、その思いを常に意識するようにしてもらいたいと思います。


二つ目は、「優しくあれ」ということです。

私は、工業とは、ただ ものをつくる のではなく、「人が、人として、幸せに生きていくために必要なものをつくること」だと考えています。


皆さんが、本校で学ぶ知識や技術は、自分のためだけでなく、人のため、社会のため、世界や地球のために、役立たせるためのものです。
専門的な知識や技術の先には、それを利用する「人」がいます。
いかに高度な技術を駆使したものであっても、それを使う人への、思いやりや配慮、気遣いがなければ、決して受け入れられることはありません。


相手の気持ちや、立場に立って考えること。行動すること。作り上げること。その基本は「優しさ」です。

クラスの友人、学科や部活動の先輩、仲間、そして先生方、様々な人との触れ合いの中で、心を磨き、鍛え、人としての「優しさ」を身につけていってください。


最後になりましたが、保護者の皆様に申し上げます。

本日より、本校を巣立つその日まで、大切なお子様を、責任を持ってお預かりいたします。

お子様一人一人が持つ、資質・能力・人間性を、限りなく伸ばせるよう、私たち教職員は、全力で努めてまいります。

そのため、時には、厳しく、教え、諭すこともあるでしょう。
保護者の皆様におかれましては、学校の方針を御理解いただき、御協力くださいますようお願い申し上げます。

また、お子様は、青年期の悩み多き年代にあります。
保護者の皆様と本校の教職員が互いに信頼し、情報交換を密に行い、手を携えながら、粘り強く、お子様の成長を支援できればと考えておりますので、何卒、よろしくお願い申し上げます。

結びに、希望あふれる新入生の皆さんの前途を祝すとともに、本日、御多忙の中、御臨席賜りました皆々様に、重ねて御礼申し上げ、式辞といたします。

平成30年4月9日
埼玉県立川越工業高等学校長
清 水 雅 己

18:00
2018/03/23

平成29年度第三学期終業式 式辞(要旨)

| by:校長
平成29年度も、今日で終わりとなります。
まずは、皆さん、この平成29年度の1年間、たいへんお疲れ様でした。

特に今年度は、明治40年5月7日の本校の設置認可から110年目となる節目の年として、様々な事業にも挑戦してもらい、皆さんは本当に多くの成果をあげてきました。

11月26日にはTBSの「別冊アサ秘ジャーナル」で90分間という長い時間、本校だけを紹介する番組が放送されました。
3月8日にはテレビ東京(テレビ大阪)の「和風総本家」で約1時間のドキュメンタリーに先日卒業した建築科の江連君が出演するなど、本校のことがメディアで大きく取り上げられ、川越工業高校の名が全国に轟きました。
これらのことは、お願いしても、お金を積んでも、基本的にはありえないことですが、現実として起こった、とてもありがたく、すごい年でもありました。
また、数日後には、NHKの「Rの法則」に、自転車競技部の皆さんが登場しますので、楽しみにしていただきたいと思います。

取組内容は言うに及ばず、知名度も、まさに日本一の工業高校であると思います。
これも、皆、先生方の支援・指導のもと、皆さんが向上心を持って、諦めず、走り続けるランナーのように自主的に、そして、主体的に取り組んできた成果だと思います。
 
良く聞く言葉で、
「人生は下りのエスカレーターを逆に登るようなもの」という言葉がります。

それは、見ているだけでは何も変わらず。
一歩踏み出してみても、そのままだとすぐに元の場所に押し戻される。
ちょっとがんばって昇ってみてもエスカレーターのスピードと同じ速さで歩いていては、その場から進むことはできない。
走り続けてはじめて、上の階にたどり着くことができる。
そして、これまで見たことがない新しい世界を見ることができる。次のステップに進むことができる。
というものです。

このように、皆さんには、これから先も、さらなる高みを目指し、走り続けてもらいたいと思います。
ただし、実際にエスカレーターを逆に登ることは、危険であり、迷惑行為でもありますので、絶対にやらないでください。
 
さて、今日は、「学び」に関することを一つだけ話したいと思います。

今年の正月の頃、放送されていたテレビコマーシャルで、個人的にとても好きなコマーシャルがありました。
そのコマーシャルは、皆さんも見たことがあると思いますが、auの三太郎のコマーシャルです。

菅田将暉(すだ まさき)さんが演じる鬼ちゃんが、鈴木福(すずき ふく)君が演じる子どもの赤鬼に、「お前、将来どうするんだ?」と聞くと、
子どもの赤鬼は、「お父さんの電気屋さん手伝うよ」と、家族が多いことから、家計を気にして答えます。
すると、鬼ちゃんは、「生意気言うな!」と言った後、
「学んだことは誰にも奪われないから!」と優しく進学を勧める場面があります。

感動の一言ですが、言い換えると、「学んだ知識や技術は自分のものになる。自分の力になる」ということです。

先日の表彰式のときにも少し触れましたが、変化の激しい時代だからこそ、自分の知識や技術を磨き、自分を高めレベルアップすること。
自分を鍛え、自分に力をつけることが大切です。

自分を鍛え、得られた力や誇り、自信は、どんな時代にあっても、どんな苦境に立たされても、必ず自分を助けてくれます。
そして、皆さんには、その力を自分のためだけでなく、人のため、社会のために発揮してもらいたいと思います。
そうすることで、皆さんの人生はとても豊かなものになっていくと思います。
 
どんな壁にぶつかっても、どんな嫌なことがあっても、逃げずに、諦めずに乗り越え、走り続けられるよう、自分を鍛えていってください。


この「自分を鍛える」ということでは、アメリカの牧師・著作家の ジョン・トッド氏 は、次のような言葉を残しています。
「およそのものは権力で手に入れたり、お金で買えたりするが、知識だけは勉強して手に入れる以外に方法はない。」

そして、
「最も貴重な知識とは自分の力で導きだしたものだ。」

その上で、こうも言っています。
「知識を蓄えるのではなく、考える力を鍛えなさい。」

自分を鍛えることは、「考える力を鍛える」こと。
考える力を鍛えるには、人の教えを聞いて、書くだけの受動的な学び、受け身の学びでは足りません。

これに関することで、先ほど紹介した ジョン・トッド氏 は、
「思想もまた、人に語ることによって、より確実に自分のものとなる。すなわち、教えることは学ぶことであり、与えることは与えられることなのだ」
と言っています。

このことについては、ローマ帝国の哲学者 セネカ も、
「人間は教えているあいだに学ぶものである」と言っています。
 
皆さんも経験があると思いますが、人に何かを教えようとすると、意外に、そのことについて知らなかったり、曖昧であることに気が付きます。
人に教えるために、内容を確かめるなど学び直すことで、自分の中で理解が深まります。
また、相手からの質問などから、新しい視点を得たり、発見したりすることもあります。

このように、人に何かを教えるということは、その半分が自分の勉強になるということから、日本では昔から、「教うるは学ぶの半ば」「教えることは学ぶこと」とも言われています。

人に教える機会や説明する機会、発表する機会があるなら、それは、「自分の勉強になる」と考え、積極的に取り組んでもらいたいと思います。

幸い本校には、小学生や保護者の皆さんにものづくりを教えたり、課題研究などの成果を発表する機会がたくさんあります。

「教うるは学ぶの半ば」「教えることは学ぶこと」

この言葉とその意味を胸に刻み、実践してみてください。
きっと、「学び」への概念が変わり、自分自身が変容していくことを実感できると思います。
 
それでは、最後に、お願いです。
いつも学期の終わりに言っていることですが、春休みを迎えるに当たり、私からお願いしたいことは、一つ。
「死ぬな!ケガするな!悲しませるな!」ということです。

それでは、4月9日には、全員そろって、笑顔で会いましょう!
平成29年度の1年間、たいへんお疲れ様でした。
そして、ありがとうございました。

18:00
2018/03/10

平成29年度卒業証書授与式 式辞

| by:校長
式  辞

やわらかな春の日差しの中、木々のつぼみも、日に日に膨らみ始め、春爛漫の日の近いことを思わせる季節になりました。

この春のよき日に、PTA会長 稲葉哲洋様、後援会副会長 阿部英典様 をはじめ、多くのご来賓の皆様と、保護者の皆様のご臨席を賜り、平成29年度 埼玉県立川越工業高等学校卒業証書授与式をかくも盛大に挙行できますことは、卒業生はもとより、本校職員、在校生一同の大きな喜びとするところであります。
ご臨席賜りました皆様に、心から御礼を申し上げます。

ただいま、卒業証書を授与いたしました272名の卒業生の皆さん、
ご卒業おめでとうございます。
心からお祝いを申し上げます。

また、保護者の皆様には、お子様の高校卒業の晴れやかな姿をご覧になり、喜びも、ひとしおのことと、拝察申し上げます。
高校時代は、心・技・体ともに、人生の中で最も成長する時期であると同時に、不安定な時期でもありました。
保護者の皆様の温かい愛情が実り、お子様は、ご覧のとおり、立派に成長され、本日ここに、卒業の日を迎えられました。
改めて、心からお祝いを申し上げます。


さて、振り返ると卒業生の皆さんと私は、3年前の平成27年4月に、この川越工業高校で新たな生活をスタートさせました。
その入学式の式辞で、皆さんの心に留めておいていただきたい、二つの話をしましたが、皆さんは覚えているでしょうか。

それは、「夢を持つこと」と「優しくあれ」という話です。
「夢を持つこと」では、その夢は、先の長い生涯をかけての夢でも、少し努力すれば手が届きそうな、目標でも構わない。ということ。
人は、常に夢や目標を持ち、それに向かって努力することで、一回りも、二回りも、成長することができる。ということ。
また、本校には、他に類を見ないたくさんのチャンスがある。ということ。
そのチャンスに、積極的にチャレンジして、夢を掴んでほしい。ということです。

そして、皆さんの大先輩であるウォークマンの開発者 高篠静雄先輩、そしてスイカの開発者 椎橋章夫先輩、両先輩の共通の言葉、
「すべては夢を持つことから始まる」という言葉を紹介しました。
その日のことが、つい昨日のことのように思い出されます。


皆さんは入学してから今日まで、「誠実・勤勉・創意」の校訓のもと、学校生活に一所懸命に取り組んできました。
本校での三年間は、勉強はもちろんのこと、学校行事や部活動、資格取得、各種コンテストなど、さまざまな夢や目標に向かって挑戦してきました。

強歩大会や体育祭、工業祭、修学旅行などの行事では、生徒会やクラス、あるいは学科を中心に取り組み、仲間との強い絆を築くとともに、人間性を磨いてきました。

資格取得では、技能検定や電気工事士をはじめ、多数の国家資格に合格、ジュニア・マイスターの取得など、他に類を見ない多くの成果をあげてきました。

課題研究では、学校だけでなく、企業や大学などをはじめ、社会との連携によるハイレベルな研究活動に取り組み、各学科における「課題研究発表会」や「卒業制作展」、そして、2月9日に行われた「五学科合同課題研究発表会」では、三年生全員がその成果を遺憾なく発表し、大成功を収めました。

部活動では、仲間とともに暗くなるまで練習に励み、休日も返上して汗を流し、本校が、文武ともに極めて優秀な学校であることを証明してくれました。

このような日々を送る中では、さぞかし、辛いこともあったことと思います。
惜しくも敗れ、流した悔し涙、その辛さを乗り越え、目的を達成したときの歓び、その経験こそ、これからの人生の最高の宝物になるはずです。

その経験や思い出を、いつまでも大切に、胸に刻んでおいてください。

そして、いつも皆さんを見守り、励まし、支えてくださった、家族や、先生方、仲間、後輩たちがいたことを忘れないでください。

その皆さんが、溢れる希望を胸に抱き、本日をもって、川越工業高校から、新たなる社会へ、羽ばたいていくことに、大きな寂しさを禁じ得ません。


今ここに、万感の思いを込めて、そして、皆さんのこれからの長い人生における人生訓として生かせるよう、皆さんへ二つの餞の言葉を贈りたいと思います。


一つ目の言葉は、「夢信進工道」という言葉です。
この言葉は、皆さんが二年生の五月に、スイカの開発者 椎橋章夫先輩から贈呈され、現在、生徒昇降口の正面に掲げられている書にある言葉です。

「夢信進工道」
「夢を信じて 工の道を進む」
その意味は、「夢を持ち、自分自身が決めた道一筋を、諦めることなく歩んで行く」という覚悟の言葉です。

これは、

「空も一つの武蔵野に
  分けゆく道は数あれど
   工の道の一筋を
    命とたどる若人われら
     ゆめな迷いそ我が友よ

 よしや行く手は遠くとも
  いかで挫けんたゆみなく
   進まんのみぞクローバーの
    精神(こころ)わすれぬ若人われら
     ゆめ怠るな我が友よ」

という本校の校歌が持つ意味そのものであり、本校校歌の題とも言える言葉です。

また、「夢信進工道」は、
夢を持ち、自分自身が決めた道一筋を、諦めることなく歩んで行きなさい。そうすれば、夢は必ず叶います。」
という暖かい教えであり、励ましの言葉でもあります。

「夢信進工道」
この言葉を皆さんへの最後のエールとして贈りたいと思います。


二つ目の言葉は、入学式でお願いした、
「優しくあれ!」という言葉です。

「夢信進工道」の書を贈呈していただいた際の講演会の中で、椎橋先輩は、スイカプロジェクトを成功させた後に、思ったこととして、
・お客様にとって良いもの、便利なものであること
・社員や会社にとっても良いものであること
・社会や世の中にとっても良いものであること
この三つを達成することができたからこそ、スイカは、社会に受け入れられたのだと話されていました。

また、椎橋先輩は次のような言葉も私たちに伝えてくださいました。
「学問は実社会で役立ててこそ本当の価値がある」
学問、すなわち、学び得た知識や技術を、実社会で発揮してもらいたい。ということです。
皆さんは、この三年間に、本当に多くの知識や技術を学んできました。

そして、その知識や技術を基盤に、これからも、さらなる精進を重ね、立派な社会人になっていくのだろうと思います。

皆さんが持つ知識や技術は、自分のためだけでなく、人のため、社会のため、世界や地球のために、役立たせてこそ、価値があり、その役割を果たすことができます。

そのためには、相手の気持ちや、立場に立って考えること。行動することが大切です。

その基本は「優しさ」です。

「優しくあれ!」
この言葉を再び、皆さんへの最後のお願いとして贈りたいと思います。


いよいよ本日をもって皆さんは、川越工業高校から新たなる社会に向けて羽ばたきます。
皆さんは、時流に乗る人、追いかける人ではなく、本校のDNAが宿る「新しい時代を創る人たち」です。
社会の変化や、技術の進歩をしっかり見つめ、感じ、考え、行動できる、新しい時代を切り拓く、優しく健康で、人間性豊かな社会人となることを心から期待しています。


最後になりましたが、保護者の皆様におかれましては、本校の教育活動につきまして、格別のご支援、ご協力をいただき、誠にありがとうございました。
時には、至らぬことや、ご心配をおかけしたこともあったかと存じますが、暖かく見守っていただいきましたことに、心から感謝申し上げます。

そして、改めて、お子様のご卒業を心からお祝い申し上げますとともに、本校への末永いご支援を賜りますよう、お願い申し上げます。


結びに、本日ここに、ご卒業される卒業生の皆さんが、前途洋々たる人生を、正々堂々、そして楽しみながら歩んでいくことを心より祈念し、式辞といたします。

平成30年3月10日
埼玉県立川越工業高等学校長
清 水 雅 己

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